『スキップとローファー』における人生の取扱説明書
『スキップとローファー』が面白い。
すでにアニメ化もされてたと聞く。久しぶりに人間関係について様々な事を考えるきっかけを与えてくれる良作である。
今、8巻まで読み終わったが、そこで私の頭に浮かんだのは、以前ブログでも取り上げた岡田斗司夫氏の『人生の取扱説明書』だった。
(Webアーカイブ)
『人生の取扱説明書』で書かれる人間の4分類は、現実の会社や学校で出会う人間から、こういった作品のキャラクターに至るまでの様々な”人間”に対する理解を深めてくれる極めて優れたフレームワークである。
8巻まで読み終わった段階で、ふと、『スキップとローファー』の主人公を含めた女子高生4人(みつみ、ミカ、誠、結月)が、この4分類に比較的きれいに別れている事に気がついた。
普通は、作者がどのタイプに属するかによって作者と同じタイプが多くなったり、劣位のタイプが敵側になったりするのだが、4人の主人公格が綺麗に4分類に分かれる作品なは、ありそうでなかなか無い。
そこで、本記事では、「『人生の取扱説明書』における4分類について、主人公たち4人がそれぞれのどのタイプに属するか?そして、それぞれにタイプ毎にどのような方向性を進めば、彼女たちの人生の幸福度を最大化できる可能性が高まるか?」 について書いておきたい。
なお、本作に書かれる各キャラクターの分類については、私個人の偏見と主観によるものであり、解釈違いも当然の如く発生するであろうことは予めご留意願いたい。
『スキップとローファー』の主人公たち4人は、実に素晴らしく、魅力的である。彼女たちの前途に幸多からん事を心から祈念する。
皆、幸せになってほしい。
- 1.人生の取扱説明書
- 2.王様 岩倉美津未(みつみ)
- 2.1 「皆の喜ぶ顔が見たい!」(基本欲求:嫌われるのが嫌!)
- 2.2 幸福度が最大になりそうな進路:総務省キャリア官僚→市長
- 3.軍人 江頭 ミカ(ミカ)
- 3.1 「嘗められてたまるか!」(基本欲求:負けるのが嫌!)
- 3.2 幸福度が最大になりそうな進路:キャリアウーマン(ただしハイスペモラハラ男に要注意)
- 4.学者 久留米 誠(まこと)
- 4.1 「もっと知りたい!」(基本欲求:知りたいのが嫌!)
- 4.2 幸福度が最大になりそうな進路:他人の成果物を評価し、分析し、組み合わせる仕事(編集者、コンサルタント等)
- 5.職人 村重 結月(結月)
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最近の少年漫画は油絵から水墨画になった~鬼滅の刃、呪術廻戦を見て感じた事
アマプラで呪術廻戦を見てる。先日、ついに26話見終わった。
鬼滅の刃、呪術廻戦を見ていて感じるのだが、最近の少年漫画の書き方は、油絵方式から水墨画方式になったと感じている。
私が学生時代に好きだった『うしおととら』や『ワンピース』といった漫画には、新しいキャラが登場したり、新しい場所に到着すると、必ず主人公達がそのキャラと人間関係を深めたり、新しい場所を説明するためのエピソードが必ず挿入されていた。
キャラの感情や設定、人間関係の導線に矛盾が無く、それこそ油絵のように隙がなく描きこまれていた。
しかし、鬼滅や呪術廻戦は異なる。基本的にはストーリーに必要不可欠なエピソードだけ盛り込み、キャラ同士が関係を深めるエピソードは小説版や二次創作で読者が相互に補完する事を前提に作られているように思える。言うなれば、基本構造だけ描き、空白部分は読者が各々勝手に描く事を推奨している水墨画のような構成だ。
その仮説を自分が明確に意識したのは、鬼滅の刃でカナヲと伊之助が童磨と戦うエピソードだ。アニメしか見ていない方にはネタバレをご容赦願うが、このエピソードでカナヲと伊之助は相互に協力して童磨を倒す。エピソード自体は素晴らしいのだが、個人的には大きな違和感を持った。
「そもそも、お前ら、そんなに仲良かったっけ?」
そもそも無口なカナヲは、かまぼこ隊では炭治郎以外と会話している描写が殆どない。
しかし、このエピソードではカナヲは伊之助を下の名前で呼び、伊之助もカナヲに軽口を叩くほどの人間関係を構築している。
従来の油絵方式では、これほどの関係を深めるには、少なくともカナヲとかまぼこ隊で複数のミッションをこなすことで関係を深める必要がある。
だが、そのエピソードでは本編では書かれずに、いきなりカナヲは饒舌になり、伊之助や禰豆子と仲良くなる。
※そのミッシングピースを埋めるのは、鬼滅の刃では、本編ではなく公式小説となっている模様
同じような構造は、呪術廻戦にも見られる。
釘崎野薔薇と合流しての初エピソード後、従来の油絵方式であれば、釘崎野薔薇の目を通して呪術高専の施設やセキュリティについて説明や、それに伴う虎杖との共闘エピソードが挿入されるはずである。
正直、そのほうが、次の少年院のエピソードにおける釘崎の涙に納得感が増す。
しかし、本編ではそのあたりのエピソードがごそっと削られている。
また、その少年院のエピソード後に2年生の先輩達が登場するが、ここでも釘崎は禪院真希と凄い速度で仲良くなっていく。
いや、皆様の言いたいことはわかる。
客観的には数ヶ月間一緒に修行してるので、仲良くなって当然なのだが、そのあたりのエピソードがないため、アニメだけ見てると、なんかすんごい速度で仲良くなっているように見える。
このように、少年漫画の書き方のトレンドが油絵方式から水墨画方式に変化した理由は以下の2点であると推測する。
1)人間関係を深めたり、設定を説明するエピソードは読者の人気がなく、アンケートの順位が低くなる
それから、連載作家の評価軸は「コミックスの売上は関係なく、本誌のアンケートで訊いている『今週おもしろかった作品3つ』の順位で評価される」と決まっています。「毎話毎話人気である」ことが連載続行の可否に関する一番の指標になっているマンガ編集部は今では「ジャンプ」だけじゃないでしょうか。
毎話毎話人気である、ということは、人気が下がるリスクのある余計なエピソードを削るという動機づけが働く。ではこの削られるべき余計なエピソードとはなにか?それこそ、キャラ同士が人間関係を深めたり、作者の考えた設定を語るエピソードである。
2)1)のエピソードを二次創作という形で対応を促した方が関連市場が拡大し、結果としてコミックスや映画等の売上が最大化する。
私個人は、二次創作界隈の分野は素人であるが、その素人私でも、以下の3つが二次創作界隈において大いに盛り上がったことくらいは把握している。
例1) 鬼滅外伝
この鬼滅外伝は、作者が監修としてしか関わっておらず、絵のタッチも大きく異なるため、個人的には二次創作であると位置づけている。
しかし、滅茶苦茶売れた。
あわせて、同日に発売された「鬼滅の刃 外伝」は週間売上85.9万部で2位
正直、二次創作作品は、100万部近く売れるなど、ほとんど記憶にない。
例2)ぎゆしの
pixivでこのタグで検索すると、まあ出てくる出てくる。これだけ作品があるのであれば、同人誌も相当な金額を売り上げているものと推察する。
正直、この二人、本編でもほとんど絡みがなく、しのぶが死んだときも義勇はほとんど表情を動かさなかったことから、個人的には「いや、どこに二人がくっつく要素あるん?」と心から疑問だったのだが、私のような意見は少数派らしい。
例3)安室透
おかしい。名探偵コナンは推理漫画のはず……しばらく読んでいない間に、一体何が起こったッ……!?
こうしたトレンドの変化は、不可逆である。
油絵を見慣れた老害には一抹の寂しさがある。しかし、悪いことばかりではない。
最近、油絵方式の雄たるワンピースを見ていても、このところ登場人物や新エピソードが頭に入らなくなってきた。
自分の頭が老化してきているのだ。
油絵はエピソードを消化するのに体力と若さを必要とするのである。そうした中、描写が最小限に抑えられた水墨画方式は老化した脳に優しい。
老化した身には、トレンドの変化は悪いことばかりではないのだ。
鬼舞辻無惨単体がヤバいのではなく、鬼舞辻無惨を含めた平安貴族全体がヤバい人間の集まりだった~『殴り合う貴族たち』繁田信一
鬼滅の刃のラスボスである鬼舞辻無惨は、あまりこのような言い方はしたくはないが、控えめに申し上げて屑である。
短慮かつ感情的な行動が多く、性格も非常に自己中心的。
加えて沸点も低いために不愉快なことがあるとすぐ怒りを露わにし、たとえ(自身が精鋭で組織したはずの)十二鬼月相手であっても、容赦なく理不尽な制裁を加える。
残忍・無慈悲・傲慢
ワンマン!気まぐれ!!傍若無人!!!最凶最悪のブラック上司
臆病
- 自分を治そうと尽力してくれた医師をカッなってうっかり殺害してしまい、1,000年以上、鬼から人に戻れなくなる。
- 主人公炭治郎の一家を小さな子どもに至るまで惨殺し、炭治郎本人に対して、「お前たちは助かったのだからそれでいいだろう」「私に殺されるのは大災に逢ったのと同じだと思え」と言い放つ。
- みんな大好きパワハラ会議
ただ今までは、あくまで平安貴族の中に鬼舞辻無惨というヤバい奴が混じっていたのだと思っていた。ただ、この本を読んで、平安貴族に対する印象が大きく変わった。
もしや、鬼舞辻無惨単体がヤバいのではなく、鬼舞辻無惨を含めた平安貴族全体がヤバい人間の集まりだったのではないか?
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この映画自体は250億稼ぐ程の品質で制作された映画ではない。だからこそ、煉獄さんが『千と千尋』を超える瞬間を見てみたい〜『鬼滅の刃 無限列車編』
「許してくれ!俺を許してくれ!頼む、許してくれ…!」