この本の限界を一番理解していたのは他ならぬ作者自身だった~『プレゼン資料のデザイン図鑑』前田 鎌利

ボスにこの本を読んで講演資料の作り方を勉強しろと言われて読んだ本。

プレゼン資料のデザイン図鑑

プレゼン資料のデザイン図鑑

  • 作者:前田 鎌利
  • 発売日: 2019/03/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

とても勉強になったので、備忘のために感想を記したい。

この本自体はこのようにプレゼン資料を作ったほうがよいというノウハウを一つ一つ記載している。

たとえば以下のような内容である。

 

【勉強になった内容】

  • 人間の視線は左上から右下に「Z」の流れで動くので、左上にタイトル、グラフは左、メッセージは右、スライド番号は下に置く。
  • グラフ→キーメッセージ①→キーメッセージ②で視線を誘導する「逆L字」での視線誘導も有効
  • キーメッセージは13字以内で書こう。
  • 良いメッセージは青、悪いメッセージは赤にする。
  • ロジック流れは↓よりも▼で表現する。
  • 単一事項の実数の増減は棒グラフ
  • アンケートは横の棒グラフ
  • 割合は円グラフ
  • 複数図工の増減や構成比の増減は折れ線グラフ
  • 表のフォーマットは色を付けずに背景は白で統一したほうがよい。また強調ポイントは赤枠で囲ったほうがよい。
  • 写真は効果的にに使おう。

 

まず面白かったのだが、作者自身あとがきで書いているように、この本の内容はソフトバンクのように紙ゼロを徹底している会社に最適化された内容となっている。

もっと言うならば恐らく孫正義社長のプレゼンに最適化された内容になっている。つまり圧倒的に口が上手く、資料がなくてもプレゼンが得意であろう孫正義社長のプレゼンを補強する内容となっている。よって、プレゼンがさしてうまくない私などが官公庁のキャリア官僚の皆様にこれと同じ形式で資料を作っても、ただイタイだけである。

作者も言うようにそれぞれの企業文化に合わせて本書のノウハウを適宜アレンジしながら、現状のプレゼン資料を改善する参考資料として使うのが最適化と思われる。

 

あと、個人的に気になったのが、なんでこんなに提案書に使える写真が潤沢なん?普通こんなに著作権フリーで使える写真素材、普通の営業マンは持っておらんで……それともアレなん?孫正義社長は写真素材は予算無制限に買っていいことになってるん?

 

その点だけは妙に気になった。